2020年初の温泉巡り:白骨温泉編

2020年6月20・21日と、私は今年初の温泉巡りに出かけました。この模様を、導入編、下呂温泉編、白骨温泉編、奥飛騨温泉編、湧き水番外編に分けて記します。
今回は、白骨温泉編です。

白骨温泉は長野県有数の温泉地

白骨温泉は、長野県松本市にあり、温泉地数が北海道に次いで全国2位の長野県の中でも有数の温泉地として知られています。ただ、温泉をあまり知らない方々にとっては、白骨温泉といえば、2004年に報道された、入浴剤六一〇ハップを混入して温泉を偽装していたという事件が最も印象に残っているのではないでしょうか。そんなことしなくても、今では素晴らしい温泉が湧いています。と私は信じています。

これまで日帰りは丸永旅館に行っていた

白骨温泉での日帰り入浴では、これまで丸永旅館を使用させてもらっていました。丸永旅館は泡の湯旅館と道路向かいに隣接するような場所に立地しています。日帰り時間の丸永旅館には、あまりお客さんがおらず、いつもほぼ独泉できるところが魅力だったのです。また、日帰り入浴が15時までと、泡の湯より1時間長いことも、温泉巡りの行程で都合が良かったのです。

 しかし、昨年9月に訪れた時、13:30に玄関をくぐり600円を払った後、女将さんと思しき方に「日帰りは14時までです」とつっけんどんな感じで言われたのです。「あれ?15時までではなかったでしたっけ?」と問い返してみたのですが、「うちは14時までです」と、これまたつっけんどん。まあ、こんなことで口論になるのもバカバカしいので、それでおしまいにしましたが、何か、この宿は私にとってもう無しだな、と思ってしまいました。

下記のリンクには丸永旅館の日帰りは15時までと明記されています。

www.shirahone.org

この日は泡の湯旅館に立ち寄り

泡の湯旅館はいつも混んでいるため、10年以上前に一度入ったきりで、これまで敬遠していたのですが、この日は暑かったこともあり、源泉直投入である内湯ひのき風呂のぬる湯を堪能したいと、ふとひらめいてしまったわけです。10:30日帰り開始のところ、勢い余って10時には泡の湯に到着してしまいました。6月21日のことです。

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泡の湯旅館の表玄関。風情ある佇まい。宿泊客の入口。日帰り客は裏から入る

人数制限。想定外の1時間待ち

私は、日帰り客の駐車場に3番目に駐車しました。そこから車内でのんびり準備をし、さて、受付に行こうと車を降りたところ、すでに受付には20人近くの行列ができていたのです。その行列は一向に前に進みません。新型コロナウイルス感染症の関係で、日帰り入浴を人数制限していたのです。やらかしてしまいました。駐車は3番目だったのに、準備に時間をかけたため、入浴順番待ちで並ぶことになってしまったのです。

そして、私が無事受付をし1000円を払った時には、時計の針は11:30を指していました。すなわち、1時間並んだということです。少し足腰に負担がかかりました。

私が泡の湯旅館を後にしたのは13時過ぎでしたが、この時にも受付待ちの人が10人以上並んでいました。泡の湯の日帰りは13:30受付終了なので、全員入れなかったのではないでしょうか。宿のスタッフの方が、待ち客に向かって、並んでも入れない可能性があるということを何度も何度もアナウンスしていました。この人数制限はいつまで続くかわかりませんが、泡の湯旅館の日帰りに行かれる方は気を付けた方がいいと思います。

夏の泡の湯は内湯が最高

泡の湯での入浴で実感したことですが、泡の湯が敷いた人数制限は、本当に絶妙でした。内湯、露天共にスカスカでもなければ密でもないのです。本当に絶妙のバランスだったのです。内湯、露天の面積などから巧妙に計算されて、適切な入浴人数をはじき出されているのでは思わされました。

さて、この暑い時期の泡の湯は、内湯のぬる湯の存在感が光りました。期待通りです。源泉温度は39℃とのことで、浴槽温度は肌感覚で36℃です。最高過ぎますよね。思った以上に長湯をしてしまいました。今年の夏にぜひリピートしたいと思ってしまいました。

下記のリンクには、内湯の写真が掲載されています。

www.awanoyu-ryokan.com

接客も最高。白骨といえば「泡の湯」

泡の湯は、スタッフの方の気遣いも随所で感じられました。受付待ちで長時間並んでいるお客さんにも何かと声掛けやアナウンスをしていましたし、館内ですれ違っても何かしら丁寧さが感じられるのです。露天や内湯といった温泉の魅力に加え、スタッフのおもてなし精神も、泡の湯が圧倒的な人気を誇る理由かもしれないなと思いました。

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泡の湯旅館は、宿泊客には温泉を浸かったお粥が出るとのこと。思わずよだれが出てしまいます

 

2020年初の温泉巡り:下呂温泉編

2020年6月20・21日と、私は今年初の温泉巡りに出かけました。この模様を、導入編、下呂温泉編、白骨温泉編、奥飛騨温泉編、湧き水番外編に分けて記します。
今回は、下呂温泉編です。

下呂温泉は「日本三名泉」の一角

下呂温泉は、岐阜県下呂市にあり、群馬県草津温泉兵庫県有馬温泉と並び「日本三名泉」に数えられる温泉です。草津温泉は泉質・湧出量ともに申し分ありませんが、下呂温泉有馬温泉はその規模に比べて湧出量は完全に不足していると私は思っていますし、大半の宿が温泉を循環使用していることからも湧出量不足は明らかです。三名泉の定義って何なんでしょうね。

下呂温泉の評価が今一つな理由。私見ですが…

さて、下呂温泉は、旅行会社や雑誌が執り行う温泉ランキングでは、比較的上位にランキングされることが多い温泉地です。温泉旅館や組合が宣伝広告に頑張っているためでしょうか、はたまた温泉以外のところでの評価が高いためでしょうか。

一方、温泉に造詣が深い方々からの評価はいま一つのような気がします。先ほども書きましたが、下呂温泉はその規模に比べて湧出量がはるかに少なく、泉源の近くにある「松園」や「幸の湯」など数か所の施設以外はすべて集中タンクから配湯されます。各施設に行き渡る温泉の量が大変少ないため、循環使用せざるを得ない状況なのです。循環してしまうと、当然、塩素系消毒剤も大量に投入されます。そしたら完全に湯は死んでしまい、温泉といえるものではなくなります。つまり、下呂温泉を支える数多の温泉旅館の浴槽では、本来の下呂温泉の魅力を味わうことができないのです。実際、私は、これまでに下呂温泉にある有名旅館のほとんどの浴槽に浸かりましたが、どこも塩素臭が大変強く、あたかもスーパー銭湯のような湯であると感じました。本来の下呂温泉の湯は、そこにはありませんでした。

もちろん下呂温泉には、温泉の泉質以外に魅力を感じてお見えになるお客さんもたくさんいらっしゃると思います。食事であったり豪華な宿であったり風景であったり温泉街であったりプリンであったりニューハーフショーであったり。人によって価値観はさまざまであるということは重々承知しているということを、念のため、記しておきます。

下呂温泉は「噴泉池」一択

それならば、本来の下呂温泉の湯をどこで堪能したらいいのか?先ほど挙げた「松園」や「幸の湯」で入浴する手もありますが、私にとっては、「噴泉池」一択です。

www.gero-spa.com

混浴、更衣室なしでも女性におすすめ

噴泉池とは、下呂温泉街を流れる飛騨川の河原にある無料の公共露天風呂です。当然、源泉かけ流しです。石で囲われた露天風呂が一つしかないため混浴です。近くの橋の上からはモロ見えです。入浴するには水着着用義務がありますが、更衣室がないため、女性には厳しい環境です。それでも本物の下呂温泉を堪能したいのであれば、女性であっても噴泉池をおすすめします。

噴泉池でせせらぎと星空と天然ローションを堪能

噴泉池をおすすめする理由、それは、せせらぎと星空と天然ローションです。

せせらぎとは、目の前を流れる幅広の飛騨川の水が流れる音がとても心地よく癒されるのです。

星空とは、露天風呂のため、晴れの日に夜空を見上げると満開の星空が広がっているのです。

天然ローションとは、下呂温泉ならではの泉質の威力を感じられるのです。入浴後、ふき取ることなく自然乾燥させた後、関節を曲げ伸ばしすると、パリパリっと糊がはがれるような感触があります。とろみのあるアルカリ性単純温泉が肌にしっとりとまとわりついているのを実感できるのです。まさしく、天然の化粧水、天然ローションです。ほのかな硫黄臭も感じられます。鳴子温泉の琢秀やしんとろの湯ほどのとろみまではいきませんが、それでも、それらの継子レベルにはあると思います。つまり、下呂温泉は、栗花落カナヲということになります。

噴泉池に入浴するならやっぱり夜

私は、今回の温泉巡りで、下呂温泉に2回立ち寄りました。6月20日の22:30~25:00と6月21日の19:30~20:00です。どちらも夜に立ち寄り噴泉池に入りましたが、やはり噴泉池は夜が最適だと思います。

街灯も少なく薄暗いため、人目があまり気になりません。さらに、そもそも夜は人通りが少ないです。人通りが少ないので、飛騨川のせせらぎも鮮明に聞こえます。

綺麗な星空も眺めることができます。6月20日は北斗七星が鮮明でした。私の住む名古屋では北斗七星のちょうど真ん中の星が見えないことが多いのですが、噴泉池からは鮮明に見ることができました。空気が澄んでいるのでしょう。この日の昼間は下呂温泉でも30℃を超えていましたが、夜は20℃を下回っていました。下呂の夜は涼しくなるのです。噴泉池の入浴をより気持ちよくしてくれます。

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噴泉池から川向うを撮影。建物は小川屋

噴泉池はコミュニケーションも深まります

このご時世、密を避けなければなりませんが、噴泉池は自然とコミュニケーションが深まります。6月20日は、地元の常連さんを中心に、10人ほどの人と会話を楽しみました。6月21日は、下呂温泉の大型旅館で働く6人のネパール人との会話が弾みました。彼らの働く旅館は6月いっぱい休館とのことです。コロナ禍の影響をモロに受けた格好ですが、皆、陽気で元気そうでした。7月から営業再開するとのことですので、忙しくなることを祈っております。

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下呂温泉街は浴衣を着たたくさんのカップルが散策していた

 

2020年初の温泉巡り:導入編

2020年6月20・21日と、私は今年初の温泉巡りに出かけました。この模様を、導入編、下呂温泉編、白骨温泉編、奥飛騨温泉編、湧き水番外編に分けて記します。

今回は、導入編です。

 

7か月ぶりの温泉巡り

 本来ならば、今年初の温泉巡りは5月のGWでした。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の影響で、GWの温泉巡りをキャンセルすることとなりました。

そして、5月末に緊急事態宣言が解除され、6月19日には県またぎの自粛要請も解除。これで大義名分ができたと捉え、その翌日から早速温泉巡りを再開することにしたのです。昨年10月以来の温泉です。約7カ月ぶりです。

冷めそうな温泉への思いを再確認する旅へ

実は、コロナ禍の間に、自分の中で、どこか温泉に対する熱い思いが冷めてきているような気がしていました。コロナ前のように、どうしても温泉に行きたい・浸かりたい・溺れたい!といったような気持ちにはならなくなってきたのです。決して、温泉にとって代わる新しい趣味を見つけたというわけでもありません。

もしかしたら、遠距離恋愛の感情に似ているのかもしれません。遠距離だからこそ会いたい気持ちが募るのでしょうが、あまりにも会わない期間が長すぎると、気持ちが離れて別れてしまう。それと似た感情なのではないでしょうか。私は温泉と遠距離恋愛をしているということです。確かに、近くても車で2時間かかるのですから。

そうした私の温泉に対する気持ちを再確認するために、とりあえず行ってみようということにしたのです。これ以上、間を空けると、本当に温泉に無関心になってしまう恐れを感じていたのです。

あくまでも3密回避を意識した行動で

今回は、できる限り3密を回避するため、車中泊を選択しました。そのため、車中泊に合わせた行程をとりました。

6/20(土)20:00 名古屋発

     22:30 下呂温泉

6/21(日) 1:00 下呂温泉

      2:30 道の駅ななもり清見着 車中泊

      8:30 道の駅ななもり清見

         長寿水経由

      10:00 白骨温泉泡の湯着

      13:00 白骨温泉泡の湯発

          新平湯温泉タルマ水経由

      14:30 新穂高温泉

      16:30 新穂高温泉深山荘着

      17:30 新穂高温泉深山荘発

      19:30 下呂温泉

      20:00 下呂温泉

      22:30 名古屋着

再開した温泉巡りの感想は

今年初の温泉巡りの感想は、一言でいえば、「充実した時間」でした。素直に温泉巡りが楽しかったです。各行程で思ったことがありますので、次回以降に記していきます。次回は、下呂温泉編です。

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今回の温泉巡りの走行距離は、462.5kmでした。久しぶりだったので、これくらいが丁度いいでしょう