IgA腎症罹患者が生命保険と住宅ローンについて考察する【後編】

2ヵ月ほど前に前編を書きました。

 onsenlife.hatenablog.jp

 IgA腎症罹患者にとっては、生命保険や住宅ローンは頭の痛い問題ですが、この後編では、私の現在の心境を記載します。

IgA腎症による審査落ちを生きる糧に

IgA腎症罹患者は、生命保険や住宅ローンには引受緩和型でないと加入することができないという観点から、通常の保険に加入できる健常者に比べて死んでしまったり稼げなくなったりする可能性が高いとみなされていると言っていいと思います。

一方、IgA腎症罹患者は、日々の生活において、食事や体調に気を配ったり、風邪をひかないように人一倍工夫をしており、健康寿命を一日でも長くしようと努力しています。そのうえ、どうせなら日本人の平均寿命よりも長く生きてやると思っている人が大半だと思います。もちろん私もその一人です。

私は数年前から、IgA腎症が原因による保険や住宅ローンの審査落ちを、生きる糧にしてしまえばいいと思うようになりました。銀行や保険会社が、「こいつは借金を返せないかもしれない」、「こいつには保険金を払わないといけないかもしれない」と思われたことに対して、元気に生き抜くことで見返してやろうといつしか反骨精神が湧き上がってきたのです。

最新の日本人男性の平均寿命である81.41歳よりも長く生きることを、私は目指したいと思っています。

無駄な手数料を払わなくても済む

ここからは、逆説的にIgA腎症罹患者が生命保険や住宅ローンに通らないことによるメリットを私見として述べます。

まず、生命保険ですが、くだらない手数料を払う必要がなくなり、無駄なお金を使わずに済みます。生命保険はさまざまな商品がありますが、基本的に保険会社がもうかる仕組みになっているため、すべての商品に手数料がかかります。

ただ、私はIgA腎症罹患前の若かりし頃、終身で60歳満期で返済される保険に加入してしまいました。今も毎月1万数千円払っています。私が60歳までに死んだ場合、保険金はたった500万円です。60歳まで生きた場合、最終的な全支払い金額は500万円をはるかに超え、満期の受け取り金額500万円の方が圧倒的に少ないことが判明しています。時間の経過によるインフレ率を考慮したらさらに大損です。途中解約はさらに不利な仕組みになっています。まあ、一般庶民には理解しがたい訳の分からない仕組みにして上手い事言いだますのが保険会社ということを学びました。今では勉強代だと割り切っています。

遺族年金だけでは物足りないか

また、家庭持ちの方が亡くなった場合は、遺族年金が支払われます。妻と子一人の場合は月8万円ほどです。ただし、月8万円の補助では生活できないという方はたくさんいらっしゃると思います。そうした場合、やっぱり生命保険の加入が必要とならざるを得ないかもしれません。何とももどかしい問題です。

住宅ローンの金利の恐ろしさ

私は若かりし頃、マイホームを購入し、毎月住宅ローンを支払う人生を歩むものだと思っていました。ハウジングセンターにも通い、勝手に盛り上がっていた記憶があります。その時の経験から思うに、本当に住宅購入となると、非現実的な金額の話になるため気分が高揚してしまい、細かなことにあまり気を使わなくなりがちだと思います。

つまり住宅ローンの金利は、固定で1%強だと思いますが、この1%強をたかが1%と思ってしまうのです。

三井住友銀行のWEB申込専用住宅ローン「超長期固定金利型プラン(返済期間:21~35年)」の金利は、最低1.28%です。私の住む名古屋では、決して贅沢ではない新築の家庭用マンションでも4000万円ほどします。4000万円のマンションを最長35年間で返済するとします。これで住宅ローンシミュレーションにかけた結果、支払総額は約5000万円です。つまり、金利等で1000万円ほど余分に払ってしまうのです。たかが1%強の金利にもかかわらず、大変恐ろしい惨状が待ち受けているのです。

住宅ローンが組めないということは、大したことないと踏んでいたのにとんでもない金額を支払うことになる住宅ローン金利とは無縁ということなのです。

 

このように、健常者が人生のターニングポイントで経験するだろう生命保険の加入や住宅ローンの返済には、とんでもない額の手数料や金利が上乗せされています。この手数料や金利に相当するお金を、私は自分の健康維持やいざという時の貯蓄に回したいと思います。