我流:IgA腎症を患った最初の2年間の食事管理

IgA腎症など腎臓を患うと、塩分やたんぱく質などに気を付けた食事管理が必要になるケースがあります。私は2011年2月にIgA腎症の診断を受けましたが、それから2年間の食事について記します。

 

病院からは食事管理の指導なし

IgA腎症を患うと、病院の管理栄養士から食事管理の指導を受けることがあります。しかし、私にはそういった指導はありませんでした。私はIgA腎症絡みで4回入院しましたが(腎生検、扁桃腺摘出、ステロイドパルス、ウイルス感染)、その都度管理栄養士の方から受けた説明は入院中の食事のことだけでした。

すなわち、日ごろの食事面については何の話もなく、当時の主治医から、「塩分の取り過ぎや暴飲暴食には気を付けてね」と言われただけです。どの成分をどれくらいまで摂取していいのかなどの具体的な説明はありませんでした。

2年間は我流で試行錯誤

ネットを開くと、IgA腎症患者の食事指導の情報がたくさん出てきます。塩分1日6g以下、たんぱく質1日40g以下、といった内容をよく目にしました。私もこれらの情報を参考に食事管理を我流で試すことにしたのですが、どのように調理したらいいのかわからなかったり自分の料理スキルでは無理だったりしました。それならば、とりあえず、塩分とたんぱく質をできる限り取らないようにしようという思考になってしまい、そうした食事を2年間続けました。そのため、実際に塩分とたんぱく質をどれくらい摂取していたのかも不明のままでした。

最初の2年間に重宝した食材たち

我流でとにかく塩分とたんぱく質を抑えていた最初の2年間に重宝した食材を紹介します。私は当時、本当にストイックに塩分とたんぱく質の抑制に努めていたので、こうした食材には藁をも掴む心境でした。開発していただいた企業には本当に感謝しています。現に、食事管理の指導を受けていらっしゃる方々にとっても大変貴重な食材だと思います。

  • ゆめごはん1/25(キッセイヘルスケア)
  • げんたうどん(キッセイヘルスケア)
  • げんたそば (キッセイヘルスケア)
  • ソース焼そば(ホリカフーズ)
  • アプロテンパスタ
  • 春雨
  • 食べるラー油桃屋
  • スナックパン(Pasco

朝食はほぼ毎日スナックパン

朝食はほぼ毎日スナックパン2本でした。スナックパンは1本の塩分が0.1gです。2本食べても0.2g。塩分を抑制するには持って来いのパンです。ちなみに食パンは、6枚切りだと塩分0.7gほど。これは、ポテトチップス1袋分とほぼ同じ塩分量になります。

昼食は自前の弁当

当時、私は営業職であったため、昼食は喫茶店や定食屋さんのランチ、もしくはコンビニ弁当が主でした。どれも一撃で塩分過多。たんぱく質も然りでしょう。

そこで、弁当を持参することにしました。保温効果のある弁当箱を調達し、ご飯は「ゆめごはん1/25」を詰めていました。おかずは、味が有るか無いかわからないくらいの野菜炒め。そして、春雨のマヨネーズ和え。ほぼ毎日同じレパートリーでした。

夕食は野菜炒めや水炊きが主流

夕食についても、味が有るか無いかわからないような野菜炒めや野菜メインの水炊きばかりを食べていました。水炊きは、こぶ出汁で煮た具をポン酢につけて食べていました。ご飯は「ゆめごはん1/25」。カロリーも適度に取らなければならないという情報もあったため、あらゆるものにごま油や食べるラー油をかけていました。食べるラー油は塩分が低いうえ味変にも貢献し、本当に重宝させていただきました。

休日は低たんぱくのうどん・そば・パスタ

 私は麺類が大好きなので、休日は低たんぱく麺である「げんたうどん」「げんたそば」
「ソース焼そば」「アプロテンパスタ」をよく食べていました。また、時にはファーストフードのフライドポテトを塩なしで注文していました。フライドポテトはLだと、それだけで一食分くらいのカロリーがあり、大変助けていただきました。

我流の食事管理を2年で止めた理由

こうした我流の塩分・たんぱく質の抑制は、2年で止めました。

その理由の一つは、ストイックにやり過ぎて、疲れたということです。低たんぱく食材を切らさないようにしなければならないというプレッシャーがあったり、毎日弁当を用意することが負担になったりしていたのです。

理由の二つ目は、メニューに飽きたということです。ほぼ毎日同じような食材やメニューを食していたため、元来人間が感じる幸せの一つである「食」を純粋に楽しみたくなったのです。

理由の三つめは、バランスの良い食事をした方がいいと思ったということです。ストイックに塩分・たんぱく質を抑制していたため、私の食事には栄養素に大きな偏りがあったと思います。健康体であろうが腎臓を患っていようが、この先健康的な生活を送るためには、バランス良く栄養分を取ることが大切なのではないかと思ったのです。

したがい、IgA腎症の診断後3年目からは、主治医の「塩分の取り過ぎや暴飲暴食には気を付けてね」を意識しつつ、普通の食生活を送っています。まあ、たまには暴食してしまいますが。