温泉巡りの醍醐味が詰まった「北温泉」初探訪記③2日目は北温泉宿泊編その1(道中に寄った温泉たち)

朝日で湯の色が美しいのなんの!

2泊3日の栃木県温泉巡りは、二日目の朝を迎えました。昨日、大出館にチェックインした時にはすでに真っ暗だったので、部屋から窓の外の景色を見るのは、朝起床したこの時が初めてです。窓の外からは、塩原元湯温泉に存在する大出館以外の二つの旅館が見えます。手前が元泉館、奥がゑびすやです。大出館だけは、少し高台に立地しています。改めて思うのですが、この3軒から構成される塩原元湯温泉とは、とんでもない湯力を兼ね備えた温泉郷です。熱狂的なファンが沢山いることが理解できます。私自身、この時以来、栃木県に訪問する際は必ず塩原元湯温泉に立ち寄っています。

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部屋から外を望んだ景色。元泉館(手前)とゑびすや(奥)の宿泊客の車たち。

 寝覚めの一浴は、日の光が差し込み、それぞれの浴室は、夜とは違った雰囲気を醸し出しています。何よりも湯の色が美しく幻想的です。

朝の墨の湯は、入湯口から注ぎ込まれる温泉は、ほぼ無色透明でした。常に墨汁のように真っ黒なわけではないということです。温泉は生き物であるという証だと思いました。

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朝日が差し込んだ墨の湯。バーベキュー使用後の炭のような色合い。この色こそ、その名の所以のよう。美しすぎる。

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御所の湯の露天風呂も朝日が当たるとエメラルドグリーンがより映える。こちらも眩しく美しい。

朝の御所の湯では、団体客の方々数人と一緒に入浴しました。どうも酒酔いが残っているようで、あまり話しかけないでオーラが出ており、少しあいさつをしたくらいで会話を楽しむことを差し控えました。

その後、朝ごはんをいただき、会計を済ませ、玄関前で若女将さんとツーショットの写真を撮らせていただき、ほどなくしてチェックアウトしました。

チェックアウト前に、玄関周りを散策したのですが、その時に祠のような穴を発見しました。宿のスタッフの方に聞いたところ、元々は露天風呂だったが、硫化水素などの管理が大変で露天風呂を止めたとのことでした。硫化水素系の硫黄泉は、換気などの管理が大変です。硫化水素は濃度が高いと毒ガスになってしまいます。安心安全な温泉を提供するというのは、硫化水素系硫黄泉を持つ温泉宿の使命ということなのでしょう。

この初めての栃木県温泉巡りで、大出館を宿泊先に選択したことは、本当に正解だったと思います。栃木県初の温泉が、濃厚な硫黄泉が特長である塩原元湯温泉であったこと、加えて、全国的にも珍しい黒色の温泉を経験できたことがその理由です。壁などの腐食が進んだ墨の湯の浴室は、決して人の手で作り上げることはできないものです。壁に温泉成分が付着し、長く年輪を刻むことで、その味わいを生み出すものと思います。好きな人は、ドハマりでしょう。もちろん私は、ドハマりです。

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大出館の朝食。

塩原で何かと有名な福渡温泉「岩の湯」入湯。「不動の湯」は入れず

 塩原元湯温泉大出館を後にし、山道を下り、ふもとの国道400号線へ出てきました。この日は、待ちに待った北温泉へ宿泊するのですが、時刻は午前10時前。チェックインまではまだ時間がたっぷりあります。塩原温泉郷のどこかに立ち寄り湯したいと思います。

塩原温泉でネットサーフィンすると、野天風呂として不動の湯と岩の湯がよくヒットします。ということで行ってみることにしました。いかがわしいエピソードもいくつか検索で引っかかったのですが、この時はまだ午前中。しかも平日の金曜日。特にそわそわすることもなく安心して入浴できることでしょう。

ほどなくして岩の湯に到着しました。福渡の交差点北側の公共駐車場に車を停めて、箒川に降り、川沿いを南へ5分ほど歩くと、川向うに岩の湯が見えてきます。橋を渡りますと、これまた丸見え露天が2つ、堂々とした佇まいで存在していました。炭酸水素塩泉独特のため池のような緑色から察するに、おそらく炭酸水素塩泉だと思われます。入浴客は私一人。独泉で岩の湯をいただきました。

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脱衣所から見て手前側の湯舟。意外と深く、立って胸くらいまでありました。この時は40℃の適温でした。

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奥の湯舟。こちらも深く、立って入りました。

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川向うにはホテルが並んでおり、閉鎖したものもありました。しかし、まだ営業しているホテルの客室からは、岩の湯は丸見えです。

岩の湯からさらに5分ほど川沿いを奥に進むと、不動の湯があります。この時期はすでに営業を終了しており、浴槽には湯も張られていませんでした。

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不動の湯。

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本当にこんな所でAV撮影していたのかよ。

那須の珍湯:老松温泉「喜楽旅館」入湯

 岩の湯と不動の湯に立ち寄り、塩原から北温泉のある那須湯本方面へ向かいます。那須湯本にも少し風変わりな温泉があると事前にリサーチしており、時間も大丈夫そうなので立ち寄ることにしました。老松温泉喜楽旅館です。

 老松温泉のレポートは、文章はやめにして、画像とキャプションでお伝えした方がいいと思い、そのようにいたします。

私が浴室に入る直前に女湯から40代と思われる一人の女性が出てきてすれ違ったのですが、何と言いますか、とても繊細そうな方で、こうした方にも老松温泉は愛されているのかと思い、この温泉の存在価値の大きさを感じました。しかし、老松温泉は、このブログを記載する2か月ほど前の2019年12月に閉館したということで、本当に残念でなりません。ただ、この温泉に浸かれたということは大変喜ばしいことであり、温泉好きとして貴重な体験だったと今では誇りに思っています。

これぞ硫化水素系硫黄泉といった温泉で、ちなみにこの時の湯の温度は42度。浴感はシャキッとした感じでした。

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まずは専用駐車場に車を停めて、旅館までは10分ほど歩きます。

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道中、何か奇妙な建物があります。窓の足元に何か落ちています。

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!!!!

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中には入れませんが、掲示物に何か書いてあります。

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ほっほー。

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もう少し歩を進めると、老松温泉の看板が見えてきました。堂々と「珍湯」と記載されています。

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さらに歩を進めると、一度は乗ってみたいと思わせるようなジープが故障しています。

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そして、ようやく老松温泉に到着です。

 

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噂には聞いていましたが、生で見るとなかなか衝撃的です。この階下に極上の温泉があるのです。

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階下もこんな感じなのか…。温泉はどこに?

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ほー。

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建物に入り、らせん階段を下ります。

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浴室の反対側の通路です。この先に源泉があります。

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ポリバスに貯められた源泉。プライスレス。

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浴室方面の通路です。床がペコペコしています。

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客室は古びていますが、ごく普通です。

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これが浴室です。日の光が入り、美しさを演出しています。

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浴室には鄙び感はありますが、それが歴史的価値となっています。

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帰りしに撮った一枚。いい感じです。